南伊豆町にも香港のような大都会になれる潜在能力はある。

現実には、地方の現実に漏れず、急速に過疎化と人口減が進んでいる。

産業といえば漁業と観光業、あるいはその関連ぐらいしか、めぼしい物が見当たらない。




そもそも人が増えるためには、人が行き交う条件を備えていなければいけない。

江戸時代の下田は、日本を代表する都会だった。日本の二大都市、江戸と大坂を結ぶ航路の要衝だったからだ。

(寝姿山から見た下田湾)

しかし現代は違う。物流はかなりの部分が陸上に移行して、それは富士山麓を経由しており、下田・南伊豆は幹線交通路から完全に外れてしまった。

船舶の性能も向上し、今や東京から大阪に行くのに、わざわざ下田に寄港する船はない。

今となっては、どこからどこに行くのに下田を通るのか。現代の下田は、下田を目的地とする人しか来ない町になってしまった。

南伊豆町は、そんな下田市からみても隣町、下田市から見ても地方である。産業の集積は起こらない。

そんな南伊豆町が、どうすれば香港のような何百万の人が行き交う都市になれるのか。ネオンの光きらめく大都会になれるのか。

町ごと外国に身売りすればいいのだ。

たとえば某大国が南伊豆を領有した場合のメリットを考えてみてほしい。

世界最大級の消費都市である東京に近接して、自国の拠点を設けることができる。

しかもその拠点は日本列島の外側に位置していて、太平洋に開けている。経済上・軍事上の価値ははかりしれない。

兵隊を駐屯させて東京に向けて兵器の照準を合わせることだってできるのだ。

東京と商売をする某大国の企業の拠点が林立するかもしれないし、多数の兵隊が駐屯して消費活動に励むかもしれない。何より、そうなるように某大国の政府から巨額の投資がなされるだろう。南伊豆の飛躍的な発展は約束されたようなものだ。

もちろんそうなった場合、街には異国の言葉があふれ、看板には異国の文字が刻まれることだろう。日本語は通じなくなるかもしれない。

現状、いくら困窮しても、町の人がそれをよしとするとは思えない。

しかし、将来、本当に困窮してもそうであると、誰が言えるだろうか。

よくよく考えてみる必要があるだろう。特に中央の目線で地方を眺めるのであれば。

ところで一方で、そこまで考えてみれば、外国人にとって、気安くアクセスできる町があるというのは、それなりにメリットがある。

たとえばだが、もしニューヨークの、あるいはパリの近郊に、村人がみんな片言の日本語ぐらいはわかるような村があったらどうだろう。とりあえず、そこに投宿して、そこを拠点に観光に仕事に励むことができれば、安心感は大きいのではないか。

もし、町を挙げて簡単なベトナム語の、あるいはタイ語の、あるいはインドネシア語の日常会話ぐらいできるような町があったならば。。。そういうことならば、地方の自助努力でもある程度のことはできるのではないかと思うのだが。

 

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