さて前回は野球においてはパワーと身長になんか関係があるらしいという話をした。

次はサッカーだ。



何か良い指標はないかと思ったが、得点王について調べてみることにした。

対象は主としてフォワードとなる。

少々偏ったサンプリングになるが、傑出した能力を数字的に示すものが他に無いからしかたがない。

まずはイングランド・プレミアリーグだ。過去十年を見てみよう。

身長よりも、10年前にすでにクリスティアーノ・ロナルドCristiano Ronaldoが才能を発揮していることに驚く。

それを含めてFWだからか長身に偏っているが、なかで173cmのテベスCarlos Tévez、アグエロSergio Agüero が目を引く。

身長が低くても夢を見れるのだ。

次にリーガ。

身長169cmのスター、メッシLionel Messiは偉大だ。

そしてMLBで首位打者3回の強打者アルトゥーベJosé Altuveが、メッシよりもさらに低いことに改めて驚かされる。

イタリアでは196cmのトーニLuca Toniから170cmのディ・ナターレAntonio Di Nataleまでが入り混じっている。

身長は活躍のための絶対的な要件ではないらしい。とはいえ平均は184cm。

次はドイツ。

ドイツは高い。2014年W杯でドイツ代表が圧倒的な高さを誇ったことは過去に紹介したが、国内リーグでも同様の傾向がみえる。

最も低いのがレヴァンドフスキRobert Lewanodwskiの185cmなのだから。

最後にフランス。

イングランドやスペインにも言えるが、全体的に高身長選手が席巻するなかに少数の低身長選手が意地を見せる、という感じだ。

フランスでは175cmのラカゼットAlexandre Lacazetteが得点王を獲得している。

まとめるとこうなる。

ドイツの異常な高さが目につく。やはりFWは高さが命。とはいえ、それでもMLBの本塁打王191cm、最優秀防御率192cmよりは低い。

スペインが低いのは言うまでもなくメッシが4回も得点王を獲得しているからだ。

だが、ラテン系はゲルマン系よりも平均身長が低いという傾向を考えれば、なんとなくこの表にもそういう傾向が現れているようには見えないだろうか。

そこで、その前の10年でも同様の集計をしてみた。

なんとドイツは、イタリアはおろか、スペインにまで劣ることになってしまった。

というわけで、ゲルマン系だから背が高いという事実は特にないようだ。

結論としては、サッカーでも、少なくともFWは身長が高い方が有利だが、絶対的な要素ではないらしい。

傑出した才能を集めれば10人に2~3人ぐらいは低身長の選手が混じるくらい、と、言えそうだ。

国としては高い選手を狙って育てるべきだが、低い選手も夢をあきらめる必要はない、というところか。

 

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