さて、さきによっくすは2016-17年度の日本代表の実力を、「CL・UL出場クラブのレギュラー選手数」で診断した。

時価ではどうなのだろう。




現在進行中の、2017-18年シーズンで五大リーグでプレイする日本人は、数えた限りでは14人いる。

このうち、4月18日時点で本稿でのレギュラーの定義、すなわち「半分以上の試合で先発」を満たす選手は9人だ。

今年は、そのうち4人が降格圏に沈んでいる。大迫と川島のチームは、それぞれのリーグで最下位だ。

見ればわかると思うが、この指標による限り、現段階で日本人最高の選手は酒井宏樹だ。

クラブはEL圏の4位だが、勝ち点はCL圏の3位リヨンと同点だから、なおさら価値がある。

酒井宏樹は、その前年にもEL出場権を獲得したクラブでレギュラーを張っていた。

時価で言えば、まさに日本人No.1と言って過言ではない。

次いで長谷部。フランクフルトは7位でEL圏には届いていないが、これもEL圏の6位ホッフェンハイムと同点、

5位のライプツィヒとも勝ち点差はわずかに1だ。

この2人は、いちおうチームの上位進出に貢献していると言える。

つまり、現段階での日本代表の強みはここにあるわけだ。

酒井、長谷部を中心としたディフェンス側の選手の力こそが、日本がかろうじて世界に伍して戦える部分なのだ。

もっといえば、同ポジションで酒井、長谷部に次ぐ選手の実力は、この2人と比べると遙かに劣る。

ここで交代枠を使ってしまうと、日本の戦力はガクンと落ちるのだ。

そうなると、いかに攻撃面で優れた酒井宏とはいえ、積極的に攻撃参加するよりは、なるべく体力を温存して、攻撃では機を見て攻め上がる程度にしたほうがよいのではないだろうか。

相手は日本よりも強いのだ。

酒井、長谷部を中心として堅く守り、機を見てカウンターで点を取る。そしてそれを守る。

そういえば気になっていたことがある。

数年前からリーガで堂々とレギュラーを張っていた乾だが、代表では途中出場が多かった。

しかし他の五大リーグレギュラー陣が、先発率5割をかろうじて超えるギリギリレギュラー(岡崎、武藤、吉田)か、クラブが降格圏に沈む弱小クラブのレギュラー(吉田、酒井高、大迫、川島)ばかりの中で、乾は安定した成績を残している。

位置づけとしては、酒井宏、長谷部に次ぐ存在のはずだ。

乾とて別に90分戦う体力が無いはずがない。だが乾はメッシではない。

それでも、フレッシュな状態で疲れた相手と相対すれば、より違いを見せつけることができる。

90分がっぷり四つに組んでも勝ち目は無い。だが相手が疲れていれば少し話が変わる。

そこで、多少体力が落ちてくる後半のある時点でエース乾を投入することで、短時間でも日本が有利な時間帯を作り出そうと考えていたのではないだろうか。

点を取る時間帯を、たとえば60-75分、あるいは75-90分と定めて、そこに効果的に戦力を集中できるような方法を模索している。

岡崎がどう、香川がどうではなく、最も効果的に乾の実力を活かせるパートナー、あるいは乾投入前にも少しは点を期待できるようなカウンター向きのフォワード、そうした選手を探していたのではないだろうか。ハリルは。

よっくすにはそう見えた。

日本のスタイルとして堅守速攻か、ポゼッションかというのは、あまり意味のある対比では無いように思える。

日本の長所が技術か、スピードか、俊敏性か、高さか、強さか。

もっと基本的な、そういうことこそが「日本らしいサッカー」ではないのか。

それを活かすための戦術は、相手次第でポゼッションになるときもあるし、堅守速攻になるときもあるのだろうと思う。

 

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