夢のような話ではないか。今市に駅ビルができたなら。
もっとも、よっくすにはコストのことは判らないが、実現の可能性が限りなく低いことは想像できる。
しかしそれでは話が終わってしまうので、ここではコストのことは考えない。
日光に至る鉄道はJRと東武があり、概ね日本人は東武、外国人はJRという棲み分けができている。
が、今市地区で降車する客は概ね今市在住者、もしくはビジネス客だから、JRの今市駅よりも東武の下今市駅のほうが繁盛している。
とはいえ、どちらの駅も比較的質素な造りである。
当然駅ビルなどはない。
(JR今市駅)
駅ビルというと、普通は商業施設、もしくはホテルのようなものが入るのが普通である。
が、今市駅や下今市駅にそのような駅ビルを建てて成功するとは思えない。
ここは、駅ビルに市役所を入れてみてはどうだろう。
JRの今市駅でも、東武の下今市駅でも良い。
市役所は、要するにオフィスだから、貸しビルを賃借してもいいだろう。
もしくは市が建設してJRないし東武に貸しても良い。
(東武鉄道下今市駅)
市役所が駅ビルになることにより、以下の効果が期待できる。
・市役所への通勤、および市役所への用務と、鉄道駅の利用客が集約し、人の集積度が増える。
そのため、商業的な機会が増加し、商業が成立しやすくなる。
・鉄道の利用が増える。バスの利用も増える。駅はバス路線が集約しているのが普通だから。
これにより運行便数が増加し、利用しやすくなってますます利用客が増える。
・人が集積する地点が減ることで、バス路線が設計しやすくなる。
路線が整理され、一系統あたりの利用客が増える。これにより便数がさらに増える。
(日光市役所:旧今市市役所。両駅の間に位置する。現在建て替え中)
市役所に集積する人数など、商業施設と比べれば小さなものだ。
交通体系に与える影響など小さいものかもしれない。
だが、商業施設とは違って市役所は不況でも撤退しないし、集客目標の設定を誤ってゴースト化する心配も無い。
行政の立場でできることで、これほど手堅い政策も無かろう。
ついでに公営の文化施設、たとえばホールや博物館・美術館の類も押し込んでしまえばなお良い。
日光市の場合には鉄道の存続にそれほど問題があるようには見えない。バスも、東照宮や宇都宮に向かう幹線は安泰だ。
が、日本の地方都市では、鉄道やバスの存廃に問題を抱えているところも多い。
鉄道やバスの存続を訴える一方で、自動車に頼らないと職員の通勤すらままならないような郊外に公共施設が位置していたら、支離滅裂ではないか。