日頃利用している鉄道の駅は、何人ぐらいの人が利用しているのだろう。

疑問に思ったことはないだろうか。

よっくすは中学生の頃、JRの駅に電話してその疑問をぶつけてみたことがあったが、当然のことながら詳しい回答を得ることはできなかった。

便利な世の中になったもので、いまではこんなサイトで各駅の利用者数を検索できるようになった。

2014年のデータとの触れ込みだが、肥薩おれんじ鉄道に転換されたはずの区間がJR鹿児島線として分類されている等、多少怪しげな点はある。

が、ここではこれが正しいものとして話を進める。




まずは下のグラフを見てほしい。

これはJR横浜線の、相模原市内の4駅(他の路線との接続がある橋本駅を除く)の乗降客数を、各駅の半径2km人口(単位100人)で割った数字を示したものだ。

したがって乗降客数の絶対値ではない。

半径2km以内の人口は、どの駅も10~12万人で、大差ないが、乗降客数には大きな開きがあるため、利用率にも差が現れる。

このうち快速停車駅は相模原駅だけだから、その点でも大差が無い。

にもかかわらずこれほど利用率に差があるのは、淵野辺駅には各方面からのバスが集約しているのに対して、矢部駅にはバスの発着がないからだ。

自家用車で利用するとしても、駅の南北にロータリーがある淵野辺駅とは違って、矢部駅ではアクセス自体が難しい。

さて、では次に、東武日光線の新鹿沼~上今市、それに鬼怒川線の大谷向駅について、同様のグラフを見てみよう。

横浜線の例からすると、特急停車駅である新鹿沼と下今市に利用が集中しそうだが、実際には板荷、下小代、明神の3駅も意外に利用がある。

絶対値でいえば、新鹿沼の3400人/日、下今市の2400人/日に対して、これら3駅の条項画数は100~300人/日程度に過ぎないが、駅周辺の人口が少ないためにこのような結果になる。

駅周辺から離れると人口が希薄になることも、横浜線の例ほどの差が付かない原因かもしれない。

だがそれよりも問題なのは、横浜線の場合よりも、人口あたり利用者数がかなり少ないことだ。

人口が少ないからではない。

繰り返すがこれは利用者数ではなく、付近の住民のどの程度が鉄道を利用しているかの指標だから、人口希薄で乗降客数が少なくても、みんなが駅を利用していれば数字が上がるのだ。

地方は自動車に依存しているからだと考えられるかもしれない。それは一理ある。

だが、日光市(人口10万人)と同程度の、人口10~20万人程度の諸都市の中心駅と比較してみたらどうだろう。

小樽駅の利用率が高いのは、札幌駅への通勤利用があるためかと思われる。

小樽から札幌までは、普通列車でも1時間ぐらいだ。

津山は岡山まで出てからの新幹線利用、八代は博多への利用があるものと想像される。

これに対して、そのような大口の利用の見込めない初駅では、概ね20人/100人以下の利用に留まっている。

周辺人口の多さも重要だが、結局はどこからどこへ行くのに鉄道を利用するのか、ということだ。

だがしかし、そうなるとなおさら、なぜ下今市駅の利用率はこんなに低いのだろうかと疑問になる。

下今市から浅草までは特急で1時間40分程度、料金も3千円もかからない。

鉄道網が充実した東京圏に属する横浜線よりも低いのは仕方がない。

しかし八代駅の利用率がこれほどあるのなら、下今市駅の利用率ももう少し伸びる余地があるのではないだろうか。

 

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