近頃、しきりに電気自動車のニュースを目にするようになった。

世はガソリンエンジンやディーゼルエンジンを捨てて、電気へまっしぐらのように見える。




内燃機関と比較して電気のメリットはいくつかある。

何より、他の電気製品の部品を多く流用できることは大きい。

こうした汎用品を使うことで、製造コストを抑えることができる。

電気だって何らかの方法を使って発電するわけだから、エネルギー効率の点で

エンジンより効率的とは必ずしも言えない。むしろ劣る場合もありえる。

しかし、何を使って発電しても良いわけだから、その点でも燃料が限定されるエンジンよりも優れている。

一方、現段階での最大のデメリットは、充電に時間がかかることだ。

そもそも電気は、発生させてから使用するまで貯めておくのが非常に難しい。

そのため高性能なバッテリーの開発競争が行われるわけだが、それも開発途上だし、いくらバッテリーが高性能化しても、結局充電の際には長い時間を掛けるか、それが嫌なら危険で高熱を発する高電圧に頼らざるを得ないわけだ。

これはとくに地方では問題になる。人里離れた道路を延々と走る機会もあるわけだから、そう簡単にバッテリーが音を上げてしまうようでは困る。

だが、走りながら充電できたらどうだろう。

何もおかしいことはない。スマートホンだって充電しながら使っているではないか。それと同じことをすれば良いだけだ。

ここで、走る自動車に確実に充電するために「線路を走らせる」ことを提案する。

まず思いつくのはこんな形か。線路の上を走ることにより、進路のふらつきを抑えられ、確実に集電できる。

これが道路では、確実に集電させる方法に困ってしまうのだ。

もう一つ、軌道の上を走ることは、自動運転と相性が良い。

A地点から運賃を払って線路に乗り込み、B地点まで。運転の必要はなく、所要時間も確実に計算できる。

むしろ自動運転のほうが、無駄に居座る輩を排除できて都合が良いぐらいだ。

だがそのためには問題がある。

自動車に線路を走るための車輪等の装置、それに集電用のパンタグラフを装備しなくてはならないことだ。

おまけに自動車の車高はまちまちなので、汎用性を持たせるためには、セダンなどの低車高の車は相当長いパンタグラフが必要だ。

それは不格好でもあるし、不安定でもある。

だからこうしてはどうだろう。

専用のカートに自動車を載せるのだ。そしてカートから充電する。

そうすれば、自動車自体は現行のままで良いし、車高のばらつきも吸収できる。

線路は新設しても良いし、既存の施設を使っても良い。

そう、このシステムなら、閑散としている地方のローカル線の設備を有効利用できるのだ。

必ずしも速くなくてもいい。少しだって進めば、充電スポットで10分も20分も待っているよりはましだろう。

電気自動車の普及にはまだ時間がかかりそうだ。

だから、当面はハイブリッド車や燃料電池車が幅をきかせるという予測もあるようだ。

また、電気自動車1本に決め打ちするのも危険なことだというのも、その通りだと思う。

だが、電気自動車の欠点は、かならずしも車両の改良だけでなく、運用側の改良によって克服できる可能性だってあるということを言いたかった。

非接触型の充電システムが改良されればいろんな場所で仕えるだろうし、もっと良い方法だってあるだろう。

そういうシステムをいち早く実用化して普及できれば、有利な条件で競争することができるだろう。

充電に時間がかかるからといって、未来永劫普及しないと決めてかかるのも危険なことだということだ。

 

スポンサーリンク