さてよっくすは、124. プロ野球を改革しようにおいて「超スローボールなど投げるような気の抜けたオールスター戦」と書いたが、実は超スローボールというのは必ずしも容易に打てるものではない。
野球に親しんだ人には当たり前のことかもしれないが、本稿については素人が対象だと考えて許してほしい。
まず図を見てほしい。
通常、速球というのは、1のような軌道で打者に至る。
投手を見据える打者に向かってまっしぐらに向かってくるのだ。
しかし超スローボールとなれば、2のように上に舞い上がってから落ちてくるような軌道になる。
これが問題だ。
もっと打者に近づいて検討してみよう。
通常、打者は自分より少し前で打球を打つ。
図の1の位置だ。
自分の後ろ、すなわち図の2の位置のボールを打つのは至難の業だ。
あるいは打つことはできるかもしれないが、フェアゾーンに、それも長打にすることは難しい。
たとえボールが止まっていても、2の位置のボールをホームランにすることは、バリー・ボンズでも困難なのではなかろうか。
そこで、この2の位置に、前からではなく上からボールを落とすことができたら、ストライクであるにも関わらず絶対に打てないボールだということになる。
実際には投手は18.44m先から投げるので、Aのような軌道でストライクゾーンにボールを投じることは不可能であって、Bのような軌道を取ることになる。
従って全く打てないということではないだろうが、ストライクであるにも関わらず打者がコンタクトする段階ではクソボールだという、かなり打ちづらいボールなのだ。
いま超スローボールの話をしたが、これにカーブ回転がかかっていたりすると、さらに角度が厳しくなり、一段と厄介なボールとなる。
バックドアとかフロントドアとかいわれるような変化球も、原理は同じようなものだろうとよっくすは思っている。
なお、コントロールを誤り、Cの軌道をとって1にボールが入ってきてしまうと、速度が遅いだけに、きわめて打ちやすいボールとなる。
俗に「肩口から入ってくるカーブ」などと呼ばれるのはこんなボールだ。
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ソフトボール大会で素人さん相手に遅い球を投げる時など、参考にしていただければと思う。