大阪都構想がふたたび住民投票にかけられようとしている。
大阪市を廃止し、市域は大阪府の直轄として4区に再編しようという構想だ。
この構想は2016年に一度否決されており、今回は出直しとなる。




さて一度否決されていることでわかるように、この構想は賛否がある。
そして双方の立場からこの構想のメリット・デメリットが詳細に報道されているが、正直言ってよっくすにはよくわからない。


具体的な大阪都構想のメリット・デメリットについてはよくわからないが、県庁所在地と県との統合という考え方自体は良いことだとよっくすは思う。
なぜか。
道路や移動手段が発達し、かつてと比べれば人々の移動は容易になって、行動範囲は広くなった。
かつては町まで行くのも多大な時間と費用を要したが、今は簡単に町に行けるので、地元の商店で買い物をするよりも、移動コストをかけて品ぞろえの良い町まで行ったほうが、個人にとって費用対効果が高くなった。
人々の移動が広域化したので、市町村も統合して、より広い単位で行政を実施したほうが適切になった。
そうした中でも特別な地位にあるのが県庁所在地であって、ここには県域全体から人が往来するようになる。
県庁所在地は単に一都市であるだけでなく、県域全体に関わりのある町になっているのだ。
だから、県庁所在地の行政は県域全体に関わってもよいし、県庁所在地の租税は県域全体を睨んで配分されたほうがよい。
しかし実際には、都市が成長すると中核市、政令制定都市といった形で権限が強化され、むしろ県から切り離される傾向にあった。
県に残されるのは極論すれば「その他の地域」に関する権限であり、「その他の地域」の振興のために重要であるはずの、拠点都市に関する行政上の権限は、小さなものとなっていた。
都市の成長を促したり、市町村合併を進めたりするためには仕方がなかったこととはいえ、こうした現象については、よっくすも気にはなっていた。
そうした中、大阪市が政令指定都市としての強大な権限の返上を自ら申し出たのだ。
ないしは、大阪市が大阪府を飲み込むともいえるから、大阪市が府域全体への責任を持つことを表明したと考えてもいいだろう。


仮にそうしたメリットが見えなくとも、原則としてこうした改革は良いことだとよっくすは考えている。
社会、すなわち組織を取り巻く環境は日々変化している。
だから本来、組織も日々変わらなくてはならない。
もしも十年一日のごとく、変わらぬ組織を何年も維持しているとしたら、その組織はすでに時代に対応していないのだ。
もしくは、そうした組織が現在の社会にぴたりと対応しているとしたら、かつては先進的すぎて社会の役に立っていなかっただろうし、その場合でもやはり未来には対応できないのだ。
そして、組織の体制が何年も変わらぬままに特に問題も起きていないとしたら、その組織はそもそも社会から必要とされていないのだ。
だから、改革の方向性が2つ示されて、二者択一ならば考える余地があるが、単に改革するかしないかということであれば、一般論としては改革したほうが良い。

たとえ改悪であっても「改革慣れ」はしておいたほうがいい。
選挙の争点は常に「どのように変えるべきか」であることが望ましく、「変わらない」という選択肢は、原則としては良くないことなのだ。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう [ 橋下徹 ]
価格:1540円(税込、送料無料) (2020/10/30時点)

 

一般論としてはそう思うが、では改革すれば必ず良くなるかといえば、もちろんそういうことではない。
改革しなければ確実に駄目になってゆくが、改革するということは良くなるか一発で駄目になるかの勝負に出るということだから、裏目に出る可能性はもちろん大いにあるはずだ。
しかし生き残るためには、何か勝負に出なければならないのだ。
大阪都構想がいやだというなら、ではどういう形で勝負に出るのか。
それを示したうえでなければ、反対は無責任かなとは感じている。

 

スポンサーリンク