今回もサッカーの戦術論である。

はじめに断っておくが、今回もあるコラムの受け売りを基に考えた内容である。

しかし、読んだのが数年前だということもあり、またしても引用元を忘れてしまった。

素人であるよっくすに論理的根拠を説明できるはずも無く、引用元、そして読者の両方に対して申し訳なく思っている次第である。




さて今回語るのはポゼッションについてである。

かいつまんで言うと、ポゼッション型の戦術で強いクラブというのは、ボール保持率(ポゼッション)を高めること自体が目的ではなく、敵陣でのゴールに向かうチャレンジに失敗した後に即座にボールを取り返すことによって、結果としてポゼッションが高まるということである。

執拗にチャレンジを繰り返し、それによるボールロストに対して、敵陣内でボールを回収することにより、再度のチャレンジにつなげる、ということだ。

両サイドバックが高い位置を取るのは、攻撃の成功率を高める以上に、敵陣でのボールの回収率を高めるためだということだ。

ボールを回収した地点からゴールまでの距離が近く、味方の人数が多いので、戦術はショートパスが中心となる。

たまに自ゴール付近からショートパスでつなぐこともあるが、それはあくまでイレギュラーな形である。

こういうチームが自ゴール付近から攻め上がる機会は少ないので、それに対応してロングボールを用意するよりは、熟練したショートパス戦法で対応した方が効率的に練習できるということだ。

したがって、敵陣でのボールの回収に失敗する確率が高いチームがショートパスによるポゼッション戦術を採ると、ボールの回収位置が低い上にそこからの攻撃が遅く、常に相手の守備陣形が整った状態で攻め込むことになる。

チャレンジすればボールを回収できないので、こういう状態でボール保持率が高いとすれば、それが「後ろでボールを回しているだけ」という状態だということになる。

おまけにサイドバックが上がって守備が薄いのにチャレンジ後のボールを回収できないのだから、カウンターによる失点の確率が高い、危険な戦術だといえる。

つまり、ショートパスによるポゼッション戦術というのは、敵陣でボールを回収できることが前提になっているのだ。

結局ポゼッション戦術かカウンター戦術かというのは、あくまでボールを回収する位置の話であり(敵陣で回収できればポゼッション型)、日本人が俊敏だとかデュエルに弱いとかいうのはこの2択の根拠としてはあまり意味が無い。

多少話を膨らませたが、これはあくまで受け売りだ。くどいようだが。

だがよっくすは、このような視点でハリルジャパンを観察する。(もう観れないが)。

さてそうなると、コロンビア、セネガル、ポーランド相手に日本が常に相手陣内でボールを回収できるだろうか。

たぶん無理だ。

そもそも、それができる相手がもしあるとしたら、オーストラリアとかサウジアラビアとかぐらいだろうが、そういう相手とグループリーグで対戦することはないことは抽選前からわかっていた。

したがって、日本が基本戦術としてポゼッション戦術を準備する必要は無い。

敵陣でボールを回収できないなら自陣で回収するしかないので、戦術はカウンターしかありえない。

(万が一、攻撃後のボールを回収しての二次攻撃が無いわけではないだろうから、ポゼッションの準備自体が無駄ではないだろうが)。

カウンターとなれば、2人対2人とか3人対3人とかの状況で、相手の陣形が整わないうちに攻撃を終わらせられるような、少数の攻撃的選手が必要だ。

そういう局面で「デュエル」に勝てるとしたら、高さか速さしかない。

必要な攻撃的選手は、うまい選手ではなく、高い選手か速い選手だということになる。

おそらく、テストされていたセレッソ大阪の杉本健勇選手の出場が想定されていたのはセネガル戦であって、ポーランド戦での出番はなかっただろう。

逆に浅野拓磨選手はポーランド戦要員だったのではないかとよっくすは感じた。

以前にも触れたが、酒井宏樹、長谷部誠の両選手が安定しているのは、このような戦術をさらに有利にする。

カウンター戦術を活かす強力な守備陣は、現在の日本代表のストロングポイントだ。

代表の世代交代が言われていたが、ベテランでも、長友選手、吉田選手、長谷部選手などは、クラブでの立場がどうであれ、常に呼ばれていた。

川島選手も、出番を確保した途端に再度呼ばれるようになった。

それは戦術にフィットしていたためだろう。

逆に本田選手、香川選手、岡崎選手が最近呼ばれなかったのは、単純に戦術にフィットしなかったためではないかと思われる。

しかし、これらの選手の個の力は、日本ではズバ抜けているのだろうから、カウンター戦術での自らの使い道さえ示すことができれば、ハリルホジッチ前監督としては喉から手が出るほど欲しい人材たちだったのではないか。

そして、ボールの回収と、回収後のカウンターの展開に必須のピースとして、川崎フロンターレの大島僚太選手がレギュラーで出場したことだろうと想像している。

 

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