リニア問題が解決の気配を見せない
JR東海が建設中で、品川-名古屋間で暫定開業するはずのリニアモーターカーの静岡県部分に対して、静岡県が工事の許可を出さないという問題だ。
他県の部分では工事が進んでいる。
静岡県の言い分としては、トンネル建設によって大井川の流量が減少するかもしれないので、全量戻すのでなければ許可が出せないというものだ。
それ以上詳しいことは報道ではわからない。
しかし、本当にこのような具体性の無い言い分では、JR東海は回答しようがない。
「できるだけ減らないように工事をする」としか言いようがないのだ。
なぜならば、「全量」の定義が明確でないからだ。
「地点Aの流量について、最低でも毎秒何トンを保証してほしい」
「なぜならば、過去〇〇年のデータでは、その流量を下回ったことはないからだ」
あるいは
「なぜならば、それが現在の流域の経済を安定的に維持するために必要な量だからだ」
静岡県の要望がこのように具体的であれば、それが妥当かどうかを科学的に検討することが可能になる。
その結果、静岡県の要求が妥当であれば、JR東海は、それに対応した策を講ずることができるのだ。
そうした具体的な数字なしに、ただ「全量」というようなあいまいな主張を静岡県が繰り返すとしたならば、静岡県の主張の本意は流域の住民の生活を維持するためではなく、工事を阻止することが真の目的なのではないかと推測するほうが妥当に思える。
静岡県とJR東海との交渉は報道ではわからないが、実際にはこのような心配は杞憂であり、上のような具体的な検討がなされているものと信じたい。
一方で、静岡県の真の目的が水の確保ではなく、リニアの阻止だとしたらどうか。
それは知事個人の問題ではなく、知事を選んだ静岡県民の総意なのだから、それは重く受け止めて、向き合わなくてはならないのではないかとも思う。
なお、よっくす個人はリニアには賛成である。
早く開通してもらって、乗ってみたい。