はじめに断っておくが、よっくすはサッカーは素人だ。
本稿で主張したいのは、インターネットの発達により、地方でも都会と変わらずスポーツ観戦を楽しめるようになったということだ。回線の細さという問題はあるが。
しかし、それで終わっても仕方が無いので、今日は最近観戦した代表戦、マリ戦(とウクライナ戦)を見て感じたことを書こう。
私の発想ではなく、観戦した上で、あるコラムを見て思ったことなのだが、肝心なそのコラムに二度とたどり着けないのでリンクを張れない。ごめんなさい。
まず感じたのは、戦術というものは個々の能力に合わせて組まれるものだということだ。
個々の選手が、どのような長所と短所を持っているのか。
どのような局面でも勝てる完璧な選手などほとんどいないし、いればレアル・マドリードかバルセロナに買われていくだろう。
言うまでもなく、日本代表にはそのような選手はいない。
でも、どんな選手でも、何か長所があるだろう。
強くはないが速いとか。うまくはないが高いとか。スペースを見つける能力、消す能力に長けているとか。
そして、そういう能力が、どの程度のものかも、具体的に把握する必要がある。
たとえばディフェンダーとして、切り返しへの対応が、メッシ(アルゼンチン)には勝てそうもないが、武磊(中国)になら勝てそうだ、とか。
個々の能力を診断するためには、試合で相手と1対1で競らせるのが最も判りやすい。
したがって親善試合では、勝つためよりも、能力を測るための戦術というものが成立しうる。
もちろん、そういう試合でも、全選手の個の能力が相手の全選手を凌駕すれば圧勝するわけだが、部分的にでも判ればよい。
もっといえば、目先の相手に勝てるかどうかよりも、この相手でこの能力なら、本番で想定される相手に対して、どのような能力で勝ることができるのか、が判るかどうかのほうが、より重要だ。
そして、そうした各選手の能力を一覧表にしたとすると、本番で対戦する相手、コロンビア、セネガル、ポーランドのそれぞれの選手を想定した際に、どのポジションのどの能力で上回ることができそうなのだろうか。
そういう「勝てそうな局面」の出現回数を最大化するためにはどのように戦ったら良いのか。
そこで初めて戦術というものを考える必要が出てくるのだろう。
だから、いま現在で選手間の連携を熟成させて、マリやウクライナの弱点を突いて圧勝しても、何の意味もない。
本番でマリやウクライナと対戦するわけではないのだから。
一方で、テストの結果、どのような局面でも上回れるピースがないとすれば、それはもはや、どんな監督がどのような戦術を採ろうが勝ち目はないことになる。
本番まで3ヶ月。今の段階でテストを重ねるというのも、なかなか難しいものだと思う。
まして眼前の試合には勝てなかった。
しかし、日本は世界ランキングで50位前後。ビッグクラブでプレイしている選手もいない。
ドイツの強豪で半レギュラーの香川真司選手や、スペインの小クラブでレギュラーを争う乾貴士選手、イングランドで出場している吉田麻也選手、岡崎慎司選手といったところが、日本では最高峰だろう。
ポーランドには、ワールドクラスの大砲、レヴァンドフスキがいる。セネガルやコロンビアにも、世界に知られた選手がいるではないか。
普通にやれば、勝つ可能性などないのだ。そこをよく考える必要があると思う。
万に一つの勝率をわずかでも高めるために、目先の試合の勝利は度外視している。
今はそう信じようではないか。